ヘアメイクアーティストの仕事内容│必要なスキルまでわかりやすく解説
テレビや映画、ブライダル、ファッションショーなど、きらびやかな世界で大活躍しているヘアメイクアーティスト。きらびやかな世界で働く、憧れのお仕事です。
この記事では、ヘアメイクアーティストを目指している人に向けて、詳しい仕事内容や必要なスキルをわかりやすく紹介します。
「ヘアメイクって面白そう!」「将来やってみたいかも」と思っている人は、ぜひ夢を叶える第一歩として読んでみてください。
目次
ヘアメイクアーティストとは?
ヘアメイクアーティストは、髪型やメイクを通して、その人の魅力を最大限に引き出すプロフェッショナルです。ただ「かわいくする」「キレイに見せる」だけではなく、その人らしさや希望に合わせて、見た目をトータルでプロデュースするのが仕事です。
「顔立ちや髪質、肌の状態をしっかり見て、その人に本当に似合うスタイルを考える」「ファッションやトレンドに合ったヘアメイクを提案する」というように、気配りとセンスが求められます。
活躍の場は、テレビや映画の撮影現場、舞台やファッションショー、結婚式やイベントなどさまざま。多くの人の「特別な日」を陰で支える存在として働けるところが、大きな魅力です。
ヘアメイクの技術だけでなく、相手の気持ちに寄り添う思いやりや、楽しくおしゃべりするコミュニケーション力も大切。たくさんの人を笑顔にできる、やりがいのあるお仕事です。
ヘアメイクアーティストの基本的な仕事内容
ヘアメイクアーティストは、ただメイクやヘアスタイルを整えるだけの仕事ではありません。
お客様の「なりたい姿」や「理想のイメージ」をしっかりと聞き出し、キレイやカッコいいをカタチにするプロなんです。
ここでは、実際にどんな仕事をしているのかを4つのポイントで紹介します。
カウンセリングで「なりたいイメージ」をしっかり聞く
ヘアメイクを始める前に、まずはカウンセリングという時間をとります。ここで、お客様が「どのような雰囲気になりたいのか」「肌や髪にどのような悩みがあるのか」を丁寧に聞いていきます。
たとえば、「大人っぽく見せたい」「今日はLIVEで推しに会いに行く」など具体的な要望やお悩みが出てくるかもしれません。施術の日の目的や細かい希望を知ることで、その人にピッタリのスタイルを提案できるようになります。
髪型のセットやスタイリング
ヘアセットも、ヘアメイクアーティストの大事な仕事のひとつです。ロングヘアをふんわり巻いたりアップスタイルにしたり、ショートヘアをおしゃれに整えたり…と、お客様が望むスタイルはさまざまです。
髪質やクセ、毛の量を見ながら、その人が一番キレイに見えるスタイルを考えることがポイント。アイロンやワックス、スプレーなどの道具を使いこなすテクニックも必要になります。
スキンケアから仕上げまで、メイクはすべて担当
メイクするときは、肌を美しく見せるスキンケアからスタートします。
肌の調子を見ながら、化粧水や下地、ファンデーションで土台をつくり、そのあとアイメイクやチーク、リップで仕上げます。
なりたいイメージに合わせて、使用するファンデーションの質感や色、ポイントメイクアイテム、メイク方法を細かく調整していきましょう。ナチュラルなメイクから、イベント用の華やかなメイクまで、シーンに合わせて表現を変えるのもプロの技です。
メイク道具の準備と管理も大切
ヘアメイクアーティストは、使用する道具の準備やお手入れも自分で行います。ブラシやパフは常に清潔にしておく必要がありますし、万が一に備えて予備を持っておくことも大切です。
また、トレンドメイクに対応できるように、常に新しいアイテムや流行のコスメをチェックしておくことも、プロとしての重要な仕事です。
道具をきちんと管理できるようになると、自信を持ってお客様に施術できるようになります。
【テレビや映画業界の撮影現場】ヘアメイクアーティストの仕事内容
テレビや映画の世界で活躍するヘアメイクアーティストは、作品の「世界観」をつくる大切な役割を担っています。
ただ俳優を「キレイにする」「かわいく見せる」だけではなく、ストーリーに合ったヘアメイクで、登場人物のキャラクターや時代背景を表現するのがポイントです。
役柄や時代背景に合わせたヘアメイクをする
ドラマや映画では、「どのような役なのか」「どのような時代の話なのか」によって、ヘアメイクのスタイルが変わります。
たとえば、時代劇なら昔の日本っぽい髪型、学園ドラマならナチュラルで学生っぽいスタイルなど、役柄やシーンに合わせたアレンジが必要です。
また、衣装やストーリーとのバランスも考える必要があり、演出家や監督としっかり話し合うコミュニケーション力も求められます。自分のヘアメイクが作品の「世界」をつくる一部になる、とてもやりがいのある仕事です。
長時間の撮影に耐えるメイクが必要
テレビや映画の撮影は、朝から夜まで続くことも珍しくありません。さらに、強いライトの下で撮影することが多いので、汗や照明の熱でメイクが崩れやすくなります。
だからこそ、汗や照明の熱にも負けない「長持ちするメイク」が必要になります。たとえば、汗に強いファンデーションを使ったり、季節やロケ場所に合わせてコスメを選んだりという工夫が必要です。
このような細かい気配りも、ヘアメイクアーティストの腕の見せどころです。表には見えないところで、「一番キレイな瞬間」を支えています。
撮影の合間にメイクをすばやく直す
撮影の合間にメイクをすばやく直すことも、ヘアメイクアーティストの大切な仕事です。撮影中は、汗をかいたりメイクが崩れたりすることもよくあります。そんなときは、短い休憩時間を使ってスピーディーかつ丁寧にメイクを整えましょう。
単にメイクを直すだけではなく、俳優の表情や肌の変化にすぐ気づく「観察力」が必要です。さらに、限られた時間でミスなく仕上げるための「集中力」と「スピード」も欠かせません。
衣装や照明に合わせて全体のバランスを考える
映像では、ヘアメイクだけが目立ってしまうと、全体の雰囲気がちぐはぐになってしまいます。ヘアメイクアーティストには衣装や照明、撮影シーンとのバランスを考えながら、全体の雰囲気をまとめるセンスが求められます。
たとえば、白いドレスを着るときは顔がはっきり見えるように濃いめのメイクをしたり、暗いシーンでは明るい色のリップを選んだりといった工夫が必要です。こうした細かい気配りで、映像全体がより素敵に見えるように仕上げます。
また、衣装さんやカメラマン、監督など、まわりのスタッフとしっかりコミュニケーションを取りながら、みんなでひとつの作品を作り上げていくことも大切です。
ヘアメイクアーティストは、プロフェッショナルチームの一員として活躍しています。
【ブライダル業界】ヘアメイクアーティストの仕事内容
一生に一度の大イベント、結婚式。
ブライダル業界で活躍するヘアメイクアーティストは、花嫁さんの「なりたい自分」をカタチにする、なくてはならない存在です。
花嫁さんの「理想」をカタチにするお手伝い
結婚式は、多くの花嫁さんにとって、小さい頃から憧れてきた特別な日です。ヘアメイクアーティストは、そんな花嫁さんの「理想の姿」をカタチにする大切な役割を担っています。
「こんなふうになりたい!」「今日は誰よりも輝きたい!」そんな想いをしっかり丁寧に聞き出し、その人の顔立ちや髪質、好みはもちろん、ドレスのデザインや会場の雰囲気まで考えながら、一番似合うヘアメイクを提案します。
お客様と一緒に悩んだり、相談したりしながら、「これだ!」と思えるスタイルをつくりあげる。それが、ブライダルヘアメイクアーティストのお仕事です。
ドレスに合わせて全体のバランスを整える
ヘアメイクを仕上げるときは、ドレスとの相性を考えることもとっても大事です。どんなにキレイなヘアスタイルやメイクでも、ドレスや会場の雰囲気と合っていなければ、全体のバランスが崩れてしまいます。
たとえば、背中が開いているドレスなら髪をアップにしてすっきり見せたり、レースの繊細なドレスならナチュラルなメイクで優しい雰囲気に仕上げたり。衣装だけではなく、小物やブーケの色味まで考えて、全体のイメージをトータルでデザインしていくのが、ヘアメイクアーティストの腕の見せどころです。
リハーサルでしっかりと事前チェック
結婚式のヘアメイクは、いきなり本番を迎えるわけではありません。
本番の前には、リハーサル(事前打ち合わせ)を行って、「こんな雰囲気にしたい」「この髪型はどうかな?」というように、理想のスタイルを納得できるまで何度も確認していきます。
不安なまま当日を迎えるのではなく、「これなら安心!」と思ってもらえるように、丁寧に準備を進めていくことが大切です。リハーサルの段階から、花嫁さんの気持ちに寄り添いながら一緒に特別な一日をつくっていくのも、ヘアメイクアーティストの大切な仕事です。
結婚式当日はずっと花嫁さんをサポート
結婚式当日、ヘアメイクアーティストはリハーサルだけでなく、本番が始まってからもずっと花嫁さんをサポートします。
挙式前の準備はもちろん、披露宴が始まってからも「メイクが崩れていないか」「髪型が乱れていないか」など、そばで見守りながら細かくお直しをしていきます。
結婚式は、花嫁さんにとって人生で一番特別な日です。緊張したり不安になったりすることもありますが、そんなとき、そばに寄り添って「大丈夫ですよ」と声をかけられる存在でいられるのが、ヘアメイクアーティストです。
「そばにいてくれてよかった」そんなふうに思ってもらえるように、見た目だけでなく心の面でも支える。それが、ブライダルヘアメイクのお仕事の魅力です。
【ファッション業界】ヘアメイクアーティストの仕事内容
モデルの撮影やファッションショーの現場では、モデルの美しさを引き出すヘアメイクが求められます。
ファッション業界で活躍するヘアメイクアーティストには、センスや発想力が求められ、ときには驚くようなクリエイティブなスタイルをつくりあげることもあります。
モデルと衣装にぴったりのスタイルを考える
ファッションの現場では、ブランドの世界観やビジュアルのインパクトがとても大事です。ヘアメイクアーティストは、モデルの顔立ちや雰囲気、衣装のデザインに合わせて、一番魅力的に見えるヘアメイクを考える必要があります。
ときには、普段の生活ではなかなか見ないアートのようなメイクや、大胆なヘアスタイルをつくることも。それは、雑誌、CM、ファッションショーなどの舞台だからこそできる、特別な表現です。
それぞれの現場に合わせて、どんなヘアメイクが一番映えるのかを考えるセンスと発想力が求められます。
トレンドを取り入れたクリエイティブな発想
ファッション業界は、流行の移り変わりがとても早い点が特徴です。そのため、ヘアメイクアーティストには、最新のトレンドをキャッチする力が欠かせません。
たとえば「今人気のコスメは?」「話題のカラーは?」「新しいヘアアレンジのテクニックは?」など、日々変わる情報に目を向けることが大切です。
そして、集めた情報をそのまま使うのではなく、自分なりのアイデアや工夫を加えて、クリエイティブな表現につなげていくことが求められます。
トレンドをうまく取り入れながら、「見たことない!」「おしゃれ!」と思ってもらえるスタイルを生み出すのが、ファッション業界で活躍するヘアメイクアーティストの魅力です。
カメラ映えを考えたヘアメイクをする
撮影現場でのヘアメイクは、ただモデルの美しさを引き出すだけではなく、カメラにどう映るかまで考えることも大事です。
たとえば、照明の当たり方やカメラの角度によって、顔やメイクの見え方が大きく変わってしまいます。そのため、メイクではハイライトやシェーディングで立体感を出したり、眉の角度やまつげの長さを細かく調整したりと、小さな工夫が欠かせません。
こうした細かいこだわりが、写真や映像のなかでモデルをより魅力的に見せるポイントになります。ヘアメイクアーティストは、「どう映るか」まで計算して、最高の一枚をつくるために力を尽くしているのです。
チームで協力しながら一つの作品を作る
ファッションの撮影現場では、ヘアメイクアーティストだけでなく、スタイリストやカメラマンなど、たくさんのプロたちがチームで動いています。そのため、ヘアメイクアーティストは自分の仕事だけに集中するのではなく、まわりとしっかり連携することも意識しなければいけません。
ヘアメイクの技術はもちろんのこと、スムーズにコミュニケーションを取る力や、急な変更があったときにすばやく対応できる柔軟さが求められます。
自分だけでは完成しない作品をつくりあげていく一員として、責任を持って動くこと。そして、完成したときの達成感とやりがいを感じられるのが、ファッション業界で働くヘアメイクアーティストの魅力です。
ヘアメイクアーティストに必要なスキル
ヘアメイクアーティストとして活躍するには、メイクやヘアセットの技術だけでは不十分です。「技術」だけでなく「人との関わり方」や「トレンドに気づくセンス」「細かいところまで気を配る力」など、いろいろなスキルが求められるんです。
ここでは、ヘアメイクアーティストにとって特に大事な4つのスキルを紹介します。
まずは基本!ヘアとメイクのしっかりした技術
ヘアメイクの仕事で一番大切なのは、メイクとヘアセットの基本的な技術がしっかり身についていることです。
たとえば、以下のような技術が求められます。
・肌をキレイに見せるベースメイク
・目元を引き立てるアイメイク
・アップヘアや編み込みなどのヘアアレンジ
こうした基本がきちんとできると、応用やアレンジもスムーズにできるようになります。
人によって、肌の質感や髪質、顔立ちはさまざまです。お客様一人ひとりの状態を見て、その人にぴったり合う方法を選べる柔軟さも大事なポイントです。
相手の気持ちを大切にできるコミュニケーション力
ヘアメイクアーティストは、たくさんの人と関わる仕事です。だからこそ、相手の「なりたい気持ち」をしっかり聞いて、寄り添うコミュニケーション力がとても大切です。
初めて会うお客様は、緊張していたり不安に思っていたりする可能性があります。そのようなときに、緊張をほぐすような明るい声かけや相手の気持ちに寄り添った会話ができると、自然と信頼関係が生まれます。
また、「この髪型だとうしろからこう見えますよ」「このメイクだとこういう印象になります」と、わかりやすく説明する力もとても大事です。相手の希望をしっかり受けとめ、安心しておまかせしてもらえる関係をつくることで、仕上がりの満足度を高められます。
トレンドに敏感でいるセンスと情報収集力
ファッションや美容の世界は、流行の変化がとても早い業界です。だからこそ、今どんなメイクやヘアが注目されているか、常にアンテナを張っておくことが大切になります。
雑誌を読んだり、SNSで人気のスタイルをチェックしたり、セミナーに参加したりと、情報を集めることも大切なお仕事のひとつです。そうした情報を集めておくと、「今っぽいヘアメイクがしたい」というお客様に、流行を取り入れた提案ができるようになります。
トレンドを取り入れた提案ができるヘアメイクアーティストは、たくさんの人から「この人にお願いしたい!」と信頼される存在になるでしょう。
現場であわてない!柔軟に対応する力
撮影やイベントの現場では、予定どおりにいかないことがよくあります。急な時間変更、天気のトラブル、メイク道具が使えなくなった…なんてトラブルが起こることは珍しくありません。
そんなときに大切なのが、あわてずに冷静に動ける力や、すばやく判断する力です。
最初は突然のトラブルにびっくりしてしまうかもしれません。しかし、現場での経験を重ねるうちに、どうすればスムーズに対応できるかが自然とわかるようになっていきます。
どんな状況でもお客様が安心できるように、落ち着いて行動することもヘアメイクアーティストの大切なスキルのひとつです。
ヘアメイクアーティストの仕事内容について知っておこう
ヘアメイクアーティストは、お客様の見た目をキレイにするだけではなく、内面の自信や笑顔も引き出すお仕事です。
テレビ、映画、ブライダル、ファッションなど、活躍できる場がたくさんあって、毎日が刺激的。「好き」を仕事にしたい人にとって、ぴったりの道かもしれません。
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